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外陰部のかゆみは性生活、妊娠への影響 [陰部病気、痒み]

外陰部のかゆみは性生活、妊娠への影響

(26歳.女性)の悩み相談:妊娠後期(昨年一月ごろ)から外陰部にかゆみがあり、赤くかぶれるようになりました。病院で「カンジダ病」と言われ、塗り薬で治りましたが、七月に再発。別の産婦人科で検査したら「カンジダではない」と診断され、塗り薬と飲み薬で治りました。しかし三カ月前から、またかゆみが出ています。月経十日後ごろから徐々にかゆみが増し、赤くかぶれてただれる、月経が来ると症状は消える―のくり返しです。病名や原因は何でしょうか。今後二人目の子どもが欲しいのですが、性生活や妊娠に影響はありませんか。

答えるドクター(沖縄県医師会):ご相談の趣旨は、外陰部に繰り返しておこるかゆみの原因と次回の妊娠への影響についてかと思います。

陰部のかゆみ、いわゆる外陰掻痒(そうよう)症は、多くの疾患に見られる一症状です。まず、妊娠中におこった病名は最初の医師の診断通り「カンジダ症」だったでしょう。妊娠中に多い疾患ですし、膣分泌物を顕微鏡で見れば一目瞭然に診断がつきます。

それから、お産後の、すなわち妊娠していないときに繰り返す「外陰部のかゆみ」ですが、子宮頸(けい)管粘液増量に関連した帯下による症状の可能性があります。通常、月経が終了し排卵期に近づくにつれ、女性ホルモンのエストロゲンが分泌増加し、子宮頸管粘液が増える、いわばホルモン性の帯下によるかゆみとかぶれの可能性もあります。これをあまり気にしない人がいる一方、過敏なほど帯下による違和感を訴える人もおります。

通気性の悪い化繊の下着やパットによるかぶれも報告されており、外陰部かゆみがあれば診察を受け症状に応じた治療が必要です。そのほか内科的疾患、皮膚科的疾患によることもありますので、かかりつけの医師とよく相談することが必要です。

膣外陰部のかゆみや炎症を起こす疾患にはカンジダ症やトリコモナス膣炎、細菌性膣炎、陰部白癬(はくせん)、ヘルペス外陰炎、そのほか多くの疾患がありますが、最も多いのがカンジダ膣外陰炎です。その症状は、酒かす状の帯下、外陰部の発赤と灼熱(しゃくねつ)感を伴うかゆみが主症状です。

ところで、カンジダとは真菌類の一種で、健康な状態でも膣、口腔(こうくう)、消化器にも少数ではありますが常在しています。それらは通常無害ですが、膣内で微生物のバランスが崩れると異常増殖し症状が出るのです。

カンジダ症の原因としては、妊娠、抗生物質の投与による菌交代現象や肥満、糖尿病や経口避妊薬の使用が挙げられます。特に糖尿病があると難治性で再発を繰り返します。また妊娠中は、ホルモンの影響により膣内がカンジダ増殖に適した環境になり、半数以上の妊婦がカンジダ症に悩まされ、再発も多いものです。

外陰部のかゆみは胎児への影響としては、分娩(ぶんべん)時に産道感染によって新生児に鵞口瘡(がこうそう=口内カンジダ症)や皮膚カンジダ症などの原因にもなるので、妊娠中に治療しておく必要があります。夫婦感染もまれにはあるようです。

外陰部のかゆみの治療は、膣炎に外陰炎を伴うので抗真菌薬の膣錠と外用薬の軟こうまたはクリームが必要です。治療薬には多くの種類があり、治療期間は二週間程度必要です。 今後の妊娠については、再発するとはいえ治りがいいので、全く心配することはありません。

タグ:外陰部
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